07. メンタルと食べもの / 07-emotional-food
メンタルと食べもの。
この2つは、一見まったく関係のないように見えて、実は驚くほど深くつながっています。
落ち込んだ日に甘いものが食べたくなる。疲れきった日はジャンクフードに手が伸びる。
なぜか温かいスープが無性に恋しくなる――。
こうした“気分と食べたいものの関係”には、心理学・脳科学・行動科学が大きく関わっています。
この記事では、このカテゴリで扱うテーマを「入門編」として紹介します。
あなた自身の食の傾向をひも解きながら、「心と食」の関係をやさしく理解していきましょう。
◆ 落ち込んだ日に甘いものが欲しくなる理由
気分が沈む日に、チョコレートやケーキを選びたくなるのは、意志の弱さではありません。
脳の中で“幸せホルモン”と呼ばれる セロトニン が減少すると、体はその不足を補おうとして甘いものを求めるようになります。
また、糖質は吸収が早く、脳が「すぐに回復できる」と判断しやすいことから、
甘いもの=“一番手っ取り早い心の応急処置”として働くことが多いのです。
◆ イライラした日に辛いものを食べたくなるワケ
怒りやストレスがたまった時に、なぜか刺激的な辛い食べ物が食べたくなる。
これは、辛味成分 カプサイシン が体内で“痛み”と判断され、その後に快感ホルモン(エンドルフィン)が分泌されるから。
つまり、辛いものは“合法的に脳をスッキリさせる仕組み”を持っているのです。
イライラしている時に辛いものを欲するのは、心を落ち着かせるための自然な反応と言えます。
◆ 寂しい日に炭水化物が恋しくなる心理
人は孤独を感じると、“お腹が満たされる食事”を求める傾向があります。
特に、温かい丼ものや麺類などの炭水化物は、「お腹いっぱい=安心したい」という心のサイン。
満腹感は副交感神経を刺激し、落ち着きを取り戻しやすくする作用があります。
「夜中にラーメンが食べたい」気持ちが湧く日ほど、心は少し疲れているのかもしれません。
◆ 温かい食べ物が“心を癒す”理由
スープ、味噌汁、お茶、ホットミルク。
落ち込んだ時に温かい飲み物が恋しくなるのは、体温と感情が密接に関わっているためです。
体が温まると副交感神経が働き、安心感や安堵が生まれます。
寒い時期に心が不安定になりやすいのも、この「体温と心」のリンクが大きいからです。
◆ “食べたくなるもの”は心のメッセージ
食欲の傾向は、実は“心の状態がわかる心理バロメーター”でもあります。
例えば:
- 甘いものが欲しい → 気力が落ちているサイン
- 辛いものが欲しい → ストレス発散したい
- 炭水化物が欲しい → 安心感やぬくもりを求めている
- 温かいものが欲しい → 心を落ち着かせたい
- 固いもの・バリバリ噛むもの → 怒り・緊張が強い
こうした傾向を知ることで「今の自分は何を求めているんだろう?」と、自分との対話ができるようになります。
◆ このカテゴリで扱う内容
このブログの「メンタルと食べもの」カテゴリでは、以下のテーマを扱っていきます。
- 気分別「食べたくなる理由」の心理解説
- 心を整える食習慣・味覚のメカニズム
- 食べたいものからわかる精神状態
- 忙しい・疲れた日の“心が喜ぶ食事”
- 食の偏りとメンタルの関係
- 甘い・辛い・酸っぱい・しょっぱい味覚の意味
- 食べ物を使ったセルフケアの方法
- 温度・香り・食感が心に与える影響
どの記事も、専門的になりすぎず「読んだその日からラクになる」「自分の心と丁寧につき合える」
そんな内容をめざして書いていきます。
◆ メンタルと食べものは、あなたの味方
心が疲れた時、無理に元気になろうとしなくていい。
お腹が空いていなくても、優しいスープを飲みたくなる日があっていい。
甘いものを食べたい日があるのも自然なこと。
食べたくなるものには、すべて理由があります。
あなたの心が発する小さなメッセージを、一緒に読み解いていきましょう。
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