問題が解決しない本当の原因は「出来事」ではない
はじめに
同じ内容で、何度も言い合いになってしまう。
そのたびに「またこの話か」と疲れてしまう。
カップルのケンカでとても多いのが、このパターンです。
一度は話し合ったはずなのに、しばらくするとまた同じことで衝突する。
どちらかが我慢して終わったつもりでも、時間が経つと再燃する。
こうしたケンカには、実は共通する心理的な構造があります。
この記事では、なぜカップルは同じことで何度もケンカしてしまうのか。
その理由を、心の動きから丁寧にひも解いていきます。
ケンカの原因は「出来事」ではなく「感情の置き去り」
同じことで繰り返されるケンカの多くは、
表面上の原因と、本当の原因が一致していません。
例えば、
・連絡の頻度
・家事の分担
・言い方や態度
こうした具体的な出来事が、毎回の火種になります。
しかし、その奥にあるのは、
「大切にされていない気がする」
「分かってもらえていない」
「尊重されていない」
といった感情です。
話し合いで出来事だけを処理しても、感情が置き去りにされたままだと、心は納得しません。
そのため、似た状況が起きたとき、再び同じ感情が刺激され、同じケンカが起きます。
「分かったつもり」がすれ違いを深める
ケンカの後、
「分かったよ」
「もう言わない」
といった言葉で終わることがあります。
一見すると解決したように見えますが、実際には、相手の気持ちを理解したのではなく、話を終わらせただけというケースも少なくありません。
理解されたかった側は「本当に分かってくれたのだろうか」という違和感を残します。
一方で、分かったと言った側は「もうこの話は終わった」と認識します。
このズレがあるまま関係が続くと、同じテーマが形を変えて再び現れます。
それが「何度も同じことでケンカしている」という感覚につながります。
感情の翻訳がうまくいっていない
ケンカの最中、人は本当の感情をそのまま言葉にすることが苦手になります。
不安は、怒りとして出やすい。
寂しさは、責める言葉に変わりやすい。
悲しさは、冷たい態度として現れやすい。
そのため、相手が受け取るのは、感情そのものではなく、感情が歪んだ形で表に出た言動です。
すると、
「そんな言い方をされる筋合いはない」
「自分ばかり責められている」
と感じ、守りに入ります。
こうして、本当は分かり合いたいのに、お互いに防御し合う構図が出来上がります。
これが、同じケンカが繰り返される大きな理由です。
解決より「安心」を求めている場合も多い
ケンカの目的は、必ずしも問題解決ではありません。
多くの場合、心が求めているのは安心です。
・自分は大切にされている
・気持ちを分かってもらえている
・ここにいていい存在だ
こうした感覚が揺らいだとき、人はケンカという形で確認しようとします。
そのため、論理的に正しい答えを出しても、安心が得られなければ、心は満たされません。
結果として、似た状況で再び同じ不安が刺激され、同じケンカが起きます。
ケンカが繰り返される関係が悪いわけではない
同じことでケンカするからといって、その関係が間違っているわけではありません。
むしろ、
・関係を続けたい
・分かり合いたい
・大切に思っている
からこそ、何度も同じテーマに戻ってくる場合もあります。
本当にどうでもよければ、人はケンカすらしません。
繰り返されるケンカは、関係を壊したいのではなく、守りたい気持ちの表れでもあります。
私の考えや感じたことから
私自身も、同じことで何度も話し合った経験があります。
そのたびに「またこの話だ」と思いながら、どこか納得できない感覚が残っていました。
後から振り返ると、解決したかったのは出来事ではなく「分かってほしい気持ち」だったのだと思います。
言葉では説明できていたつもりでも、気持ちの部分が届いていなかった。
だから、何度も同じところに戻っていたのだと感じています。
繰り返すケンカから抜け出すために
同じことでケンカを繰り返していると感じたときは「何が起きたか」よりも「そのとき何を感じたか」に目を向けてみてください。
怒りの下にある不安。
責める言葉の裏にある寂しさ。
そこに気づけると、話し合いの質は変わります。
ケンカをなくすことより、感情を置き去りにしないこと。
それが、同じ衝突を減らしていく一歩になります。
おわりに
カップルが同じことで何度もケンカするのは、どちらかが悪いからではありません。
未消化の感情が、形を変えて現れているだけです。
それに気づけたとき、ケンカは敵ではなく、関係を見直すサインになります。
何度も繰り返してしまうからこそ、その奥にある本音を、大切にしていい。
私はそう思います。
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