女主人公

⇒①思い出す時

◆あの君◆第4話:【回想】出会い②

 「広絵さんなーに?」  首を傾げながら、呼ばれただろう男性がこちらに向かって歩いてくる。 「コイツが航河。大学二年。一個下ね」「ちょっ、コイツて。あー、航河、桐谷航河です。宜しくお願いします、千景さん」「宜しくお願いします」...
⇒①思い出す時

◆あの君◆第3話:【回想】出会い①

 私は大学3年になり、今まで働いていたアルバイト先を辞め、新しいアルバイト先へと移った。今まで、カフェの仕事はしたことがなかったが、飲食店のホールの経験はあったし、面接の時の店長の感じも良かったから、特に心配はしていない。 一度、面接の前...
⇒①思い出す時

◆あの君◆第2話:【現在】思わぬ再会②

 私だと気付いた航河君は、強張らせていた表情を一気に緩め、見たことのあるくしゃっとした笑顔を見せた。 "あぁ、懐かしい──"  その笑顔を見て、思わず自分も顔を綻ばせた。 「千景ちゃん、元気そうだね」「航河君こそ。もう─...
⇒①思い出す時

◆あの君◆第1話:【現在】思わぬ再会①

桜がとうに散り、緑の葉が生い茂る。寒い日もあり、暑い日もある、この五月。鼻をくすぐる、何とも表現し難いこの匂いと、ふとした時に感じる胸のむず痒さに、私、七原千景はいつも夏の到来を感じるのだ。  今年もまた、その季節がやってくる。 窓...
⇒_設定集

◆あの君◆主要人物紹介

七原 千景(ななはら ちかげ) 現在三十歳。旧姓:藤田(ふじた)アルバイトを始めた当時大学三年生。バイト開始時彼氏なし。今は尚弘と結婚し、夏乃を生んだ。 七原 尚宏(ななはら なおひろ) 千景と同い年。料理とゲームと散歩...
⇒_設定集

【あの君】あらすじ

 七原千景三十歳。夫の尚宏、娘の夏乃と三人家族。フルタイムの仕事をしている。  今月から、新しく配属となったプロジェクト。そのプロジェクトで待っていたのは、以前バイトをしていたカフェで一緒に仕事をしていた、見覚えのある彼だった。 ...
リィナとよるのないまち

◆リィナ①◆かがやく夜に

 「おそくなってごめんね。今からてらすよ、リィナのまちを」  お月さまはそう言って、目をつむりました。すると、お月さまのからだが、どんどんと明るくなっていきます。 「すごいよ! キレイ!」  お月さまのからだが光ると、リ...
リィナとよるのないまち

◆リィナ①◆お月さまとお星さま

 お空にうかぶ、黄色くて、まんまるで、とっても大きいお月さま。ゆめにまで見たお月さま。それが、こんなにこんなに、リィナの近くに。  お日さまとちがって、あわくて、やさしくて、ふんわりした光。 お月さまにリィナの町をてらしてもらったら...
リィナとよるのないまち

◆リィナ①◆足りないもの

 かみさまとリィナ、ガルーダは、大きなビンをはこぼうとしましたが、大きくておもくて、とてもはこぶことが出来ません。 「ワシもとしじゃのう。よし、一つ、まほうをつかってみようか。リィナちゃん、そのつえをとってくれんかね?」「これ? は...
リィナとよるのないまち

◆リィナ①◆かみさまと夜

 くもくんのお母さんは、どんどんとにじにそって空の上の方へとんで行きます。すけていたにじも、上の方はこくハッキリとした色に。 「にじってかたいのね」  リィナは手をのばして、にじにさわってみました。七色のにじはとてもキレイで、...
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