03. 親子・家族のこころ / 03-family-psychology
― いちばん近いからこそ、いちばん難しい関係 ―
家族という存在は、私たちに安心をくれると同時に、なぜか深く傷つけることもある、特別な距離感を持つ関係です。
「どうして家族なのに、うまくいかないんだろう」
「大切に思っているのに、言葉が通じない気がする」
そんな思いを抱えたことのある人は、きっと少なくありません。
家族の関係は、恋愛や友人関係とはまた違った、“生まれた瞬間から始まる長い接触” の積み重ねで作られています。
そのため、喜びも痛みも、驚くほどダイレクトに響きやすいのです。
親のひと言に胸が刺さったり、兄弟姉妹と比べられた記憶がずっと心に残ったり、子どもからの言葉に自分が責められているように感じたり。
それは、家族が“特別”だからこそ起きる反応です。
そして、親と子の関係には必ず「期待」「役割」「愛情の表現方法」 の3つが影響しています。
親は子どもを守りたいと願い、子どもは親に認められたいと願う。
その気持ちが少しずれただけで、心は簡単にすれ違います。
このカテゴリでは、親子・夫婦・兄弟姉妹・親戚など、家族の中で起こりやすい“感情のもつれ”を、心理学や発達心理の視点から、そっとほどいていきます。
扱うテーマは――
- 親からの期待が苦しいときの心の整理
- 夫婦で価値観がすれ違う理由
- “親との距離感”をどう決めるか
- 子どもが言葉にできない気持ちのサイン
- 実家に帰ると疲れる現象の正体
- 家族の中で「自分だけが我慢している気がする」理由
- 兄弟間の比較が心に残りやすい仕組み
- 親の愛情表現と子どもの受け取り方の違い
- 家族の問題を一人で背負い込みやすい人の特徴
家族の悩みは、誰か一人が悪いわけではありません。
互いが「よかれ」と思ってとった行動が、すれ違いを生むこともある。
気持ちを守りながら家族と向き合うには、“心理的な距離”を適切に置くことがとても大切です。
あなたが家族の中で感じてきたつらさも「そう感じてしまう自分」を責める必要はありません。
それは心があなたを守るために選んだ反応だから。
ここでは、家族という一番近い関係だからこそ抱える葛藤を、
やさしく理解できる場所にしていきます。
家族と向き合う「再出発の視点」
家族の問題は「過去をやり直すこと」はできなくても「これからの向き合い方を変えること」はできます。
親子関係にしろ、夫婦関係にしろ、人は変わるのが怖いし、家族はなおさら変わるのが難しい相手です。
でも、小さな一歩を踏み出せば、関係の温度は確実に変わります。
それは“仲良くなる”ことだけを意味しません。
“無理しない距離をつくる”ことも立派な前進です。
このカテゴリは、傷ついた心をただ治す場所ではなく、家族とのつながりを「あなたらしく選び直す」ための場所。
読むたびに少し安心できて「もう一度だけ向き合ってみよう」と思えるような、そんな静かな強さを届けていきます。
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